きたみのいえもん 喜多見の伊右衛門

きたみのいえもん(喜多見の伊右衛門)

武州多摩郡で用いられてた蛇よけのおまじないやおふだに用いられてた名前。

「へびもまむしもどーけどけ、おいらは喜多見の伊右衛門だ、槍も刀も持ってるぞ、ちょっきり切られて腹立つな」などの文句を唱えたり、「伊右衛門だ」という名前を告げておくと、草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
伊右衛門というのは、多摩の喜多見にいた斎藤伊右衛門というひとで、蛇除伊右衛門[へびよけいえもん]としてよく知られてて、家伝来の秘法で治療をしてくれたり、人間を咬む悪さをした蛇を呼び出して叱ったりもしたといいます。 『武蔵名勝図会』や『願懸調宝記』にも、4月8日に伊右衛門の家で「斎藤伊右衛門」と書いてもらったおふだ・それを写したおふだを蛇の出て来るところに貼っておけば、蛇がこなくなるといったことなどを記載してます。

しむらばんしち」や「やまぶきぜんべい」、「まむしのぎんえもん」、「かじのめいむこ」、「かじやのむこどの」、「かじやのこむすこ」、「かじやのおとむすめ」、「かじやのこむすめ」、「かじやのむすこ」など、「蛇も蝮もどけどけ、○○さまのお通りだ」というかたちに属する唱えごとは各地にあり、それぞれ用いられる人名が異なって来ます。

和漢百魅缶│2022.09.10
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