武州で用いられてた蛇よけのおまじないに用いられてた名前。「かじやのむこどん」とも。

「へびもまむしもどーけどけ、おれは鍛冶屋の小息子、槍や刀も持ってるぞ、首を出しゃちょん切るぞ」と唱えておくと、草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
「きたみのいえもん」、「やまぶきぜんべい」など、「蛇も蝮もどけどけ、○○さまのお通りだ」というかたちに属する唱えごとは各地にあり、それぞれ用いられる人名が異なって来ます。

「かじのめいむこ」や「かじやのむこどの」とは近いもの。「かじやのむすこ」とくらべると、喜多見の伊右衛門の名前の入ってる唱えごとにある「槍も刀も持ってるぞ」と共通した箇所があり、唱えごとが共通・混ざっている雰囲気があります。

和漢百魅缶│2022.09.15
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