信州佐久郡で用いられてた蛇よけや虫よけのおまじないに用いられてた名前。
「へびもむかでも出て来るな、おれは鍛冶の姪聟だ、槍も刀も差してるぞ、胴腹切られてびりつくな」と唱えておくと、草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。
正月20日ごろにも、香煎の挽きかすやどんど焼きの灰を家の周囲に撒いて、枡のおしりを叩きながら唱えごとを唱えてまわると、家に害虫たちが入ってこないとされてました。
☆ 莱莉垣桜文 附註
唱えごとの部分は「きたみのいえもん」や「かじやのこむすこ」などと近しいもの。家のまわりに穀物の殻や糟を撒く蛇よけの俗信も重なってくる例です。
和漢百魅缶│2022.09.22
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