すててぎてぎよ

すててぎてぎよ

勢州の神部高岡の法蔵院というひとのもとの寝室に夜になると出たというおばけで、「法蔵院があたまは、すててぎてぎよ、すててぎてぎよ」という歌をうたいながら拍子をとっておどるような声をたてたと言います。あたりをさぐっても誰も影もないので、ふしぎに思っていましたが、ある夜のこと、これに対して「法蔵院があたまがすててぎてぎなら、おのれがあたまもすててぎてぎよ、すててぎてぎよ」と言い返しつづけたら、バタリと音がしてたぬきが倒れて死んでいたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
ほっくり」や「うんぽんぽん」や「すっぴょこぴょこ」や「ちんちろり」などと同型のもの。

和漢百魅缶│2012.04.10
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