佐渡の小泊に出たというふしぎな声。むかし東平という名前の石工が夜道を歩いていると「東平ほっくり」というナゾの声で呼ばれたので、「そういうもんこそ、ほっくり」と言い返すと、また「東平ほっくり」という声。えんえん東平がこれに言い返していたところ、朝が来ると時おなじくして声はしなくなったんだトサ。正体はむじなだと考えられていました。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「ほっくり」というのは佐渡のむじなたちの間で使われてた、という単語のひとつで「ぽっくり」などと同じような語意なんだそうな。「ぼっくりしょ」との関連性がうかがえる声です。
和漢百魅缶│2011.04.07
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