芸州の山県郡につたわるたというふしぎな声。むかし彦六という名前のじいさんが夜道を歩いていると「彦六どのはすっぴょこぴょん」というナゾの声で呼ばれたので、怖くなって急いで村に帰り話をすると「それはよくない」という事に。
村人があつまってその声がしたところに行ってみると、言った通りの呼び声がするので、「そういう者こそ、すっぴょこぴょん」とみんなで言葉を言い返しました。えんえん「彦六どのはすっぴょこぴょん」と「そういう者こそ、すっぴょこぴょん」が言い合いつづけられていましたが、ついにふしぎな声が帰ってこなくなくなったので、あたりをさぐってみると、口の大きく裂けたたぬきが正体だったソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「すててぎてぎよ」や「ほっくり」や「ちんちろり」などと同型のもの。
和漢百魅缶│2012.04.30
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