まむしのぎんえもん 蝮の銀右衛門

まむしのぎんえもん(蝮の銀右衛門)

甲州都留郡の上野原で用いられてた蛇よけのおまじないに用いられてた名前。

「銀右衛門だ」という名前を告げておくと、草むらや山道で蝮[まむし]たちに咬まれないといわれてました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
銀右衛門というのは、里吉銀右衛門というひとで、蝮よけの術を持った人物としてよく知られてて、家伝来の秘法で治療をしてくれたり、蝮よけのわらびについて教えてくれたといいます。

そのむかし、夜道で大入道と遭遇してもそれに怖じずにいたので感心した仙人(大入道の正体)から「おまえはおそろしいものは無いのか」と訊かれ「ここを往来してて怖いのはまむしぐらいだ」と返答した際に、その秘法を授かったと語られてます。

きたみのいえもん」や「しむらばんしち」、「やまぶきぜんべい」など、蛇よけに用いられる人名の唱えごとは各地にあります。

和漢百魅缶│2022.09.20
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