とどまるたま(留る霊)

ひとが亡くなったあと、地上に重なって存在してる幽界・幽冥(かくり世)にとどまるというたましいたち。

きよらかなたましいたちは、大統領である「おおくにぬし」(あるいは「すさのお」)のもとで、生きてるときとあまりかわりなく、たましいとして暮らしてるといいます。

明界・顕明(うつし世)にいる生者たちの近くにあって、向こう側からはハッキリ知覚されることは出来ないものの、大なり小なり影響を与えてるんだトカ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
平田篤胤が整備して説いてる考えかたですが、「幽冥界」などの構造設定を抜けば、基本は一般的なたましい(「めいこん」)の捉え方を摂り込んだものだった様子です。

「おおくにぬし」(あるいは「すさのお」)の冥判によって、悪いたましいたちは幽冥界ではなく、よみの国で畜生・魔物・妖怪にされてしまうという考え方がこれに付属しますが、これらもそれ以前からの捉え方が根底にはあります。

篤胤の説を発展させた岡熊臣『千代乃住処』などでは、よみの国に流れて行ってしまう「もとつたま」とは逆に、火・風に属く四魂(和魂・荒魂・奇魂・幸魂)にあたるものが地上の幽冥界にとどまるたましいだとしてます。いっぽうで「うかれるたま」を想定してもいます。

和漢百魅缶│2025.12.23
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