死後、手のひらに目玉のついてる「てのめ」のすがたになってしまった目の見えない男。
とある場所の野原で三五市は殺されたのですが、その後、手のひらに出来た目玉でさぐりさぐり歩き回り、遂には逃げ去ってた相手を見つけ出して、うらみを晴らしたんだソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『おばけ文庫 べとべとさん』の「手の目」で書かれてる手の目妖怪のはなしのひとつ。
石燕の絵などを通じて紹介された「てのめ」をしたじきに描かれたもの。「市」の字があるので意図としては座頭さんとも考えられるのですが、挿絵では髷のついたすがたで描かれてるので、座頭さんなのか目の悪いひとだったのかの判断はつきづらくなってます。
山田野理夫が手の目を題材にしたものには他に「たかのいち」などもあります。
和漢百魅缶│2024.07.10
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