のづち 野槌

のづち(野槌)

両脇にあたまがあって、手足がないのに、草の上を歩いてくるふしぎなものだといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『アルプスの民話』の「たのしい爺さま」に出て来る存在の一ッ。「やぶのの」というおじいさんが、これを草むらの中で見つけたゾ――と、みんなをからかう笑い話になってます。

昔話を題材にしており、ほぼ同じ内容の話が、先行する『白峰村史』下や、清酒時男『加賀・能登の民話』にも見られます。その点、鳥山石燕の野槌を意識して書いてる「のづち」とは、完全に別物。

和漢百魅缶│2024.07.02
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