くちのねぇめ 口の無ぇ妻

くちのねぇめ(口の無ぇ妻)

口が存在しないのでごはんを食べないということで、ものぐさな男のもとへやって来た女。しかし実は襟首[えりくび]に大きな口がある蛇の化けたもので、家の者の留守にたくさんの大きいやきめし(おにぎり)をつくっては食べてました。

正体を見てしまった姑とそれを聞いた男が追い出そうとすると、交換条件にもらった大きな風呂桶に男を詰め込んで女は「じさまとばんば」の待ってる棲み家に連れ去ります。

隙をみて風呂桶から脱出した男は、近くに生えてた松の木にかくまってもらい、なんとか命が助かりましたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
岩州会津郡桧枝岐での昔話に出て来るごはんを食べないお嫁たちの内の一ッ。「くちのないよめさん」のなかの、お正月の松飾りのはじまりに結びつけられてるルートのもの。

ものぐさな男は「物臭太郎」として語られてます。

和漢百魅缶│2024.01.
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