しょうのおに 庄の鬼

しょうのおに(庄の鬼)

備中都宇郡に伝わるもので、むかし庄村のあたりを荒らしつづけてたという「おに」たち。

吉田采女正兼政と、その家臣である坪井右京之進・坪井左馬助らが、困ってるひとびとのために乗り出し、酒で鬼たちを酔わせて動けなくさせ、退治をしたと語られます。

しかし、吉田家と坪井家には不幸やわざわいが連発。うらなわせてみたところ鬼のたたりだというので、毎年正月に大きな「鬼」との字を書いた的[まと]をつくって弓で射る行事を行ない、「まとのにぎりめし」を食べて、たたりを封じるようになったソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
特に固定した名前はない様子です。この鬼たちのかしらぶんが、何とか水を飲んで正気を取り戻そうとたどりついた水辺であったというので、鬼河市[おにがわいち]という地名が出来たと語られてます。

上東村の地域には、城之内や吉田という吉田の城があったとされる地名や、魔封じのためにはじめられた奉射のために吉田宮がまつられたことなどが言い伝えられてました。

和漢百魅缶│2024.01.05
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