せき

せき

鮒[ふな]たちのことで、稷米[しょくべい]が水のなかに入って、この魚のかたちに化すとも考えられてました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
稷米は、きび・たかきびのこと。「稷米所化」や「稷米化之」という字句でこの説が記載されてました。「せつ」に近いものであるので、変化の様子がむかしの本では並べて紹介されていることがありました。

『食療本草』曰
「是稷米化之 其魚肚上尚有米色」
王圻『三才図会』曰
「是稷米所化 其魚腹上猶有米色」

「せき」の字は、喞を魚偏にしたもの(魚偏に即の字も同じ)です。魚偏に脊あるいは責のかたちでも書かれます。

和漢百魅缶│2023.12.09
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