山からすっかり食べ物(山菓)が無くなってしまったが、立派な梵志には山にいつづけてもらいたい――と、願った獣たちのひとりで、 人間に化けて食べ物としてふくろづめになった麦こがしを持ってきた狐[きつね]。
その後の「とおう」の行動に、こころを動かされた神仏によって梵志と獣たちはまもられ、共に山で暮らしつづけました。
この狐はその後、阿難として生まれたとされます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『六度集経』などで書かれるはなしに登場する複数の獣たちのうちの1匹。ほかに山にいた獣たちには「だつ」(かわうそ)、「こう」(さる)などがおり、かれらもそれぞれ捧げ物を持って来ました。
和漢百魅缶│2023.01.14
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