ゆうのうし ゆうの丑

ゆうのうし(ゆうの丑)

人間が至るべき覚[さとり]をたとえたもので、心をまどわす「ねんそ」たちを捕らえ退けようとするものの、それは困難であると語られます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
「念は老鼠の如く、覚は猫児の如し」などと、仏門でのたとえのなかに出て来るもの。本来の字は猫児(みょうに。こねこのこと。「かくみょう」)で、なかなか捕らえられないということなのですが、『撰集抄』の陽明文庫のものにこの表記が用いられてます。

「ゆう」の字は牛偏に由と書かれます。この漢字は「黒目の牛」といった意味ですが、「……の丑」とさらにつなげてる部分は少し不自然なカンジもあります。

和漢百魅缶│2022.06.07
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