土の中奥深くにある穴ぼこに埋まってたという「たんたんころりん、たんころりん」と踊るふしぎなひとで、おしりからどんどん大量の銭を出します。
地面の中からきこえてくる気持ちの悪いこの音をたよりに掘り出したひとが、銭をいっぱい出してもらっておかねもちになりますが、その母親が「しりの穴をもっと大きくしたら、もっと銭の出る量が増えるのでは」と焼けた火箸で穴を大きくしたところ、1枚も銭は出なくなってしまったトサ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
陸前登米郡などの昔話に見られるもの。おしりから財物を出してくるのは「こめひりじぞう」などと同様。「たんころりん」というのは鳴らしたてる音の擬音表現であることがここからも知れます。柿が化けるとされる「たんころりん」なども同様のものか。
和漢百魅缶│2016.05.04
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