みくにのきつね 三国の狐

みくにのきつね(三国の狐)

越前につたわるもの。黒丸権四郎[くろまるごんしろう]という怪力な男の前に若衆の姿に化けて出て来たまだらっ毛のきつね。

しかし、権四郎は藻をかぶって化けてる最中のきつねを見てたので、これをうまくだまして三国の料理屋につれてゆき、鯉のうすみそ・鮭なます・松茸のあつもの・すりゆず等のごちそうをぺろり。とんずらを決めて〆めて金1分700文のお勘定をきつねにおしつけてしまいましたトサ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『北国巡杖記』にあるもので、「おうじのきつね」など、きつねをだますはなしはいくつもほかにあります。
三国は越前の繁華街。北前船のよりどころ。

和漢百魅缶│2014.01.04
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