蟻[あり]たちの王様で、立派な御殿をもってます。
越中立山につたわるもの。むかし、木こりが山の中できらきらとひかるふしぎな谷をみつけて入っていったところ、荘厳な御殿があって、大変なもてなしを受けます。
何日かが過ぎて王は「あなたが以前谷に捨てた梨の実のおかげで滅びる寸前だったわしの国が救われました、その恩返しをしたのです」と語り、自分たちが谷に住む蟻の群れであることを話したといいます。木こりがたくさんのおみやげをもらって家に帰ってみると、50年もの月日が過ぎ去ってたソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
蟻の国に訪れるはなしは、大陸にもありますがこの立山の話は少し竜宮城な展開のおはなし。似たものに「ありひめ」などもあります。
和漢百魅缶│2013.09.09
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