さんかん

さんかん

花をくれたお礼だと言われて竜宮にまねかれた花売りのじいさんが、おみやげとしてもらって来たねこ。金の糞をしたと言います。
じいさんはこれで豊かな暮らしが出来るように。それをうらやんだ隣のじいさんがこのねこを借りていきましたが、糞をしないので怒って殺してしまいました。じいさんがこれを返してもらって埋めてあげるとそこからきれいな実をつけるの木が生えてきます。旅の座頭さんにきくと「何、さんかんというねこを弔らった……「さん」は「三」で「み」じゃ、その実は「みかん」というものじゃ」と教えてくれ、蜜柑[みかん]のはじまりになったんだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
讃州などに伝わってます。対馬の「みい」、橘のはじまりの「りゅうぐうのくろねこ」、クガニー(シークワーサーの仲間)のはじまりになった「くがにのいん」はほぼ同じ型のはなし。

和漢百魅缶│2013.09.06
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