おすなおに お砂鬼

おすなおに(お砂鬼)

紀州の本宮町につたわるもの。むかし、ある家に奉公してたお砂という名前の女中さんがいたが、いつも夜になると家の中からいなくなっちゃう。それをふしぎに思った家の者があとをつけてみると淵の中に沈んで消えてしまったのでびっくり。「おすな!!おすな!!」と呼んでみると淵の中からつのが12本もある大きな鬼ようなものが出て来たんだトカ。

それ以後、正体を見破られてしまったお砂は帰ってこず、淵の近くに来る子供などをとって食べてしまったと言います。

☆ 莱莉垣桜文 附註
薩州の「つのがじゅうにほんあるおに」など、つのが12本あるという特徴は一部の「鬼」に共通して出てくる本数の特徴です。

和漢百魅缶│2012.12.28
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