漢のころ予章の太守だった賈雍[かよう]が界[くにざかい]に出没していた賊を退治しにいったものの、返り討ちにあって首がポトリ。しかし、賈雍は首が無いまま馬を駆けさせて帰って来て、家臣たちに「諸君みるに頭のあるが佳いか、頭のないが佳いか?」とたずね、家臣たちが「頭のある殿様が佳うございます」というと「ふむ頭のないもまた佳いものぞ」と述べてサッと死んだんだとか。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『捜神記』では賈雍について「有神術」などと書かれていて、やや幻術に近いものを弄していた人物であることをほのめかしています。唐の「かけいてい」も似たような無頭状態の話があります。
和漢百魅缶│2010.11.30
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