てんじくのくさき 天竺の草木

てんじくのくさき(天竺の草木)

天竺にしかないようなめずらしい異草や珍木たち。

筑波山は、太古のむかしに天竺から飛来して来て日本の東の地に出来上がったふしぎな山なので、このようなふしぎな植物がたくさん生い茂ってる、と語られてたんだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『臥雲日件録』に、「筑波山とはどこにあるのぢゃ」という質問に対して、城呂という琵琶法師が答えたことばのなかにあるということが知られてます。

『臥雲日件録』曰
「盖俗伝自天竺飛来 故山中多異草珍木云々」

霊山とされる山は、異国の霊山の一部が欠けて飛んで来て日本に生じた――とされる縁起物語は多くあり、この城呂が語った内容も、そういった縁起世界の思想設定に基づくものだと言えます。異草や珍木が生えてるのは、仙境・浄界であることの象徴として語られやすい題材でした。

いっぽう、むかしから真面目な本などでは当然、『詞林采葉抄』にある天照大御神は水波曲[すいはのきょく]を弾いて波が起こったので「筑波」だとする古註やその派生などと同様、「怪誕」としてあつかわれてました。

和漢百魅缶│2026.06.12
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