つついいがのつちぐも 筒井伊賀の土蜘

つついいがのつちぐも(筒井伊賀の土蜘)

巨大な土蜘蛛[つちぐも]を筒井伊賀守政憲[つついいがのかみまさのり]と見たもの。頭にある梅鉢のような紋が特徴。

☆ 莱莉垣桜文 附註
国芳『源頼光公館土蜘作妖怪図』に描かれてる妖怪のひとつ。『天保雑記』などにある解釈。筒井政憲[つついまさのり]は、すぐれた町奉行としても名声の高かった人物。天保の改革の時期には町奉行の職を罷免されて閑職にまわされつづけてました。梅鉢は筒井家のもんどころ。

筒井伊賀守政憲は、鳥居甲斐守耀蔵[とりいかいのかみようぞう]からみると2代前の南町奉行でもあり、昌平黌でのライバルでもありました。

天保の改革の破綻後は、阿部伊勢守正弘などに重用され、亡くなる安政ごろまで活躍しました。

いちばんおおきい土蜘蛛にあたる人物の見立てについては「みのべちくぜんのつちぐも」や「やべするがのゆうれい」なども。

和漢百魅缶│2025.11.22
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