きうんこんそく 気運昏塞

きうんこんそく(気運昏塞)

天地が出来上がってから年月が過ぎてゆけばゆくほど、金石草木の気がうすくなって弱くなり、生物たちも弱くなる結果として数が増えていってしまう、という考え方。

☆ 莱莉垣桜文 附註
西川如見『水土解弁』の冒頭では、この考え方にもとづいた問いが出され、それに「必ずしもそうとは言えない」と反駁するかたちではじめの内容が展開されてゆきます。「せいきせいえい」は相反する考え。

西川如見『水土解弁』曰
「或問 天地の始終。今漸く半を過ぎて。其[その]気運おとろへ。草木金石まで性弱くなり。人間は病気無気力のみ多く。気運昏塞なる故[ゆえ]。かへって人間多くなれり。くだ物多くなりたる年は其[その]風味うすく。少くなりたる時は味[あじわ]ひよろしきがごとしと。此[この]理至極せり。うたがふべからず」
「曰 此[この]説。世界万国のうへをもって考へたるか。唐土日本のうへをもって考へたるか。唐土日本の時運かくのごとくなりとて。天地万国なべてかくのごととくなるべしといふべからず」

和漢百魅缶│2024.05.19
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