のみかしらみ 蚤蚊虱

のみかしらみ(蚤蚊虱)

陸奥の津軽郡などにつたわるもの。むかし、継子[ままこ]の兄弟たちをみんな釜でぐらぐら煮立った湯の中におとして殺してしまった継母[ままはは]がいて、その仕打ちを小鳥たちのさえずりなどから知った実の父親が、その継母をまな板の上で散々に打ち叩いたところ、継母は蚤[のみ]や蚊[か]や虱[しらみ]に変じ、それ以後、人間たちを害するようになったんだトサ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
悪いものの遺骸から人を刺す害虫が発生したというのは、「おにのち」などと同様の構造。

和漢百魅缶│2013.07.04
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