富士山に暮らしてたと考えられるおおきな熊のようないきもの。背中に2本の角があり、体中に眼がついてるとも。
宝永4年(1707)11月に富士山が噴火したときには、山から逃げる生き物たちに混ざって、このすがたが目撃されたという風聞があったとするはなしも見られます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
天明年間、浅間山の噴火のあとに売り出された『会談浅間が嶽』に載せられたはなしのなかに出て来るもの。山の中にいた異獣であろうと考えられてます。「あさまやまのばけもの」もおなじはなしに描写されてる似たもの。
『会談浅間が嶽』巻1 曰
「長[たけ]一丈余もあらんと見ゆる熊の如き獣[けだもの]背[せなか]に二つの角はへ。惣身[そうみ]に眼[まなこ]ありて。その光[ひかり]鏡の如く。人のごとく立ち手をひろげ通りしが其翌日より富士山もへ出し。」
和漢百魅缶│2025.07.06
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