湯殿山のふもとに埋められてたという僧侶の即身仏。
庄内の地の名主の娘「なほ」は、七晩つづけて「夫となるもの」としてこのほとけさまの夢を見ており、母親から好きな男はいないのかいという質問に対し、この即身仏の妻になることを告げました。
実際に夢のとおりの位置に即身仏は埋められており、なほは共に暮らして交わりを持ち、すこやかな赤ちゃんも産んだソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『東北怪談の旅』の「即身仏」に出て来るもの。なほが懐妊したことから、子の宿りにくい女性たちからも、このほとけさまと契りを持つと赤ちゃんが出来るということで、評判を呼び、願掛けに来て無事に子宝を授かる女性たちがつづいたとはなしがつづきます。
どの段階(赤ちゃんたちの成長後なのか、なほ達の歿後なのか)かはわかりませんが、その後また山に埋め戻されたと結末には描かれてます。
和漢百魅缶│2024.07.30
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