阿州の鳴門の海にいる海の神。
むかし、土州に流されてしまった尊良[たかなが]親王のあとを追い、舟に乗って出発したお姫さまがいたのですが、その美しさに惹かれたこの竜神は、大きな渦を起こして舟を巻き込み、お姫さまを奪ってしまいましたソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『海と湖の民話』の「小袖貝」のはなしに書かれてる存在。
『太平記』(巻18)にある尊良親王・秦武文・松浦五郎らの登場するはなしを下敷きにしたもの。お姫さまは『太平記』でいうところの御息所さま。各地域の伝説としても、実際このように簡略化されたり、語り替えられたりした設定のものは語られる上で存在してたと見られます。
和漢百魅缶│2024.07.01
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