おんなのくび 女の首

おんなのくび(女の首)

大森彦七[おおもりひこしち]から剣を奪うためにあらわれた妖怪の一ッ。4、5尺もある大きな首で、鉄漿[おはぐろ]のついた歯をくろぐろとみせながら、わらいかけたり、はずかしそうに後ろ向きになったりしました。

彦七の屋敷の蹴鞠[けまり]の庭にある囲いの上にあらわれて、屋敷の者たちをびっくりさせました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『太平記』(巻23)に出て来るもので「眉太に作り金黒なる女の首」とあります。西源院本(巻24)では「眉太く作て金黒なる女の頭」といった表現。

屋敷の「蹴鞠の庭」に魔王や妖怪たちが出現するのは『太平記』にしばしばみられる展開。

和漢百魅缶│2024.06.06
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