ははこなし 無母子

ははこなし(無母子)

村々の野に春になっても母子草[ははこぐさ]が、まったく生えてこなかったというふしぎ。

『文徳実録』の嘉祥3年(850)の紀事にあるもので、仁明天皇と嵯峨太皇太后(檀林皇后)が相次いでおかくれになったことを示してたのではないかと人々に噂されたといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
むかし母子草はお餅に入れる草として広く利用されており、「3月3日に食べるもの」ともされてたので、それが生えてこないことが大きな事件になったのでした。

和漢百魅缶│2024.01.24
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