いくののてんぐ 生野の天狗

いくののてんぐ(生野の天狗)

むかし日雄上人が関東から京都へ向かう道中、遠州で背が6尺以上高い山伏に遭遇し、宗義法論の問答をいどまれました。

問答に負けた山伏は、これをさしあげますと長刀[なぎなた]などをくれたのですが、それを受け取った途端、日雄はいままでと全く違う山の中にいました。家をみつけて「ここはどこです」と訊ねると、そこは但州の生野銀山の近くだということでした。

山伏の正体は「てんぐ」で、生野に寺をつくって欲しいので良い僧侶を連れて来るために出没してたのだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
但州生野の妙銀山本行寺のはじまりのはなしとして出ているもの。『但馬考』では「遠州掛川の辺」、『朝来志』では「遠州秋葉山」のあたりで問答をしたと描写されてます。

和漢百魅缶│2024.01.22
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