ものくわんかか 物食わん嬶

ものくわんかか(物食わん嬶)

ごはんをなにも食べないということで、「だら」な男のもとへやって来た女。しかし実は頭に大きな口があるばけもので、男の留守にたくさんのやきめし(おにぎり)をつくっては食べてました。

正体を見てしまった男が追い出そうとすると、交換条件にもらった大きな櫃[ひつ]に男を詰め込んで女は自分たちの棲み家に連れ去ろうとします。隙をみて櫃から脱出した男は、近くに家にかくまってもらい、なんとか命が助かりましたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
加州江沼郡などでの昔話に出て来るもの。ごはんを食べないお嫁たちの内の、味噌餅が弱点に結びつけられてるルートのもの。

助けてくれた家は味噌づくりをしてた最中で、夢中で走ってくたびれ果ててた男に「味噌餅[みそもち]食べて長持に隠れていらっさい」と言っており、隠れ場所を探しあてた妖怪がその味噌餅のにおいを嫌って逃げ帰って行きます。

これに由来して、味噌づくりをしたときは厄除けのために味噌餅をつくって置くようになったと語られます。

和漢百魅缶│2024.01.17
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