しん 蜃

しん(蜃)

おおはまぐりのこと。孟冬(10月)になると海のなかに雉[きじ]が入ってこれに変化すると考えられてました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『礼記』月令に「雉入大水為蜃」とあるもので、七十二候のうちの立冬のころの季節時候の変化のひとつとして広く読まれてました。そのため、雉と蛤をおめでたい御膳に用いるという組み合わせが出来たと俗にいわれてたトカ。

月令鄭註 曰
「大蛤曰蜃」
久佐道允『七十二候抄』曰
「雉入大海為蜃[はまぐり]
雉入其水 化而為蜃 雉不成蜃 海波陣々」
貝原益軒『大和本草』蜃 曰
「月令ニシルセシ雉ノ化スル蜃ハ大蛤ナリ」

しん」との解釈には分かれがあり、こちらのおおはまぐりのほうは「蛤蜃」の蜃と区別されたりもします。

和漢百魅缶│2023.12.11
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