宇多天皇のころに難波の海に出没したという大悪魚で、ひとびとを多数襲ってました。貞元親王[ていげんしんのう]が14名の勇士をひきつれて舟で出発して、これを退治したといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
貞元親王は清和天皇の皇子。親王と勇士たちは呑み込まれてしまいますが、おなかの中から太刀で攻撃をして、とどめをさしたとされます。
「滋野親王外伝」に引用されてる文では「悪魚」だけではなく「毒魚」とも表現されており、ひとびとに危害を加えるわるい存在として「毒魚」の語がよく使われてたことが知れます。
和漢百魅缶│2023.10.07
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