はしないかわのかに 橋無い川の蟹

はしないかわのかに(橋無い川の蟹)

橋が架けられてない川にいる蟹[かに]で、渡って行くひとの背骨や筋[すじ]を挟んで痛くしてしまいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
わらべうたに出て来る存在。相州足柄郡などでは西行が川を渡る者として登場しており、「むかし西行の坊さんが、橋無い川を渡るとき、蟹に背骨を挟まれて、痛し悲しや蟹どのや、何か薬はあるまいか、あるともあるとも夏降る雪を手に採って、冬鳴く蝉[せみ]のぬけがらを、それをつければ早速よくなる」などの歌の文句が見られます。

和漢百魅缶│2023.05.13
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