どうしても斬ることが出来ないふしぎな首がある場合に、これを突いて用いると、いとも軽く斬ることが出来るんだソウナ。
丹波の有頭(宇津)に伝わるもので、むかし討ち取られて送られて来た安倍貞任・宗任がこの地で処刑され、からだをばらばらに斬り離すことになったとき、どうしても貞任の首がびくともしなかったので占師にうらなわせてみたところ「柚の針を用いればよい」ということになり、作業がすすめられたといいます。
弓槻[ゆずき]の地名は、柚の針で貞任の遺骸を突いた場所であることに由来してるといい、その周辺には柚の木が実をつけることはないと語られてました。
☆ 莱莉垣桜文 附註
柚の針というのは、ゆずの木の枝にあるとげとげのこと。
和漢百魅缶│2023.04.25
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