よきえのどうじ 能画の童子

よきえのどうじ(能画の童子)

どんな絵でもすばらしく美しく描くことの出来るというふしぎな子供。

むかし紀州の和歌浦に桑山玉洲[くわやまぎょくしゅう]という天下にならびないと噂される絶世の画家がおり、名声を誇ってました。ある日、美しい子供が家にやって来て「それがしの絵は汝よりもすぐれたり」と挑戦して来たので、玉洲は山水画で勝負をしたのですが、見事な出来に敗北してしまいました。

くやしさから玉洲が相手の絵を破り散らしたところ、絵も童子のすがたも消え去り、玉洲はその後は狂人になってしんでしまったソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
宮負定雄『奇談雑史』(巻7)に収められてるはなしで、この童子は愚賓[ぐひん]か幽界の者だったのだろうとされてます。桑山玉洲は実在した紀州の画家ですが、はなしは文化年間のころとしてあり、付会されたもののようです。

和漢百魅缶│2023.03.26
Design. Koorintei Hyousen 2023