わきやごぜんさま わきや御前様

わきやごぜんさま(わきや御前様)

むかし、四国に流れ着いた「うつろぎぶね」に入ってたというおひめさまで、土州幡多郡の沖の島でひとびとに引き上げられましたが、再度ふたをとじられ海に突き返されてしまいました。

数日後、わきや御前は屍となって網にかかり、それから島では魚がまったく捕れなくなってしまったといいます。島のひとびとは、うらないを行なっておひめさまの屍を神社を建ててまつったところ、再び魚は捕れるようになったソウナ。

このおひめさまは帝の皇女で、重い病にかかってしまったことから流されたと語られてました。鴨姫神社と呼ばれて、特に女性を病からまもってくれたといわれてます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
鴨姫神社という社号は、島のひとびとが海に押し戻した直後に、舟の上に鴨[かも]が1羽とまってたことが由来してるようです。

和漢百魅缶│2023.02.
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