おいたるうさぎ 老たる兎

おいたるうさぎ(老たる兎)

おおむかし、因州にあった竹の林にいたという兎[うさぎ]で、あるとき天下が大洪水になって竹林もすべて流されてしまい、流れ着いた島から帰って来るために、「わに」たちをだまして背中を渡って来ましたが、終わり間際に調子にのって「わに」たちをあざけったので、皮をはがれてしまいましたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『塵袋』などに引かれてる『因幡記』(因幡風土記の一部かと思われる散逸書)の文に出て来る「いなばのしろうさぎ」なはなしに出て来る兎。

因州の高草郡の名前の由来として、竹がいっぱい生えてた(竹草が高草になった)という部分が出て来ており、そこに結びつけられてます。蒲[がま]の穂での癒し方を「おおなむち」(おおくにぬし)から教わる部分はおなじですが、八十神たちは出て来ません。

和漢百魅缶│2023.01.16
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