庚申[こうしん]の前世での母親で、実の母親ではなかったと語られます。
前世の庚申に対して大変いじわるに接してました。それに嫌気がさした庚申は家を出るのですが、頼った先でも邪険にあつかわれて、ついに水に身を投げて亡くなり、次の世で庚申になったとされます。
この継母が前世の庚申の大嫌いな「おじや」をわざとつくって食べさせつづけてたので、庚申の日に「おじや」をつくると「七代びんぼうになる」と語られてました。
☆ 莱莉垣桜文 附註
土州高岡郡などで語られた庚申のはじまりに出て来る存在。
鍋の蓋をしめたまま囲炉裏で調理をして「きょうはおじやじゃないよ」と告げて期待させたあとに「実はおじやだよ」と出して来るような展開が語られたりしており、庚申の「おじや嫌い」の加速原因となる表現がとられます。
和漢百魅缶│2022.12.28
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