讃州豊田郡の池尻に伝わるもの。むかし庄屋が丸亀へ行った帰り道に墓場で遭遇した、あやしい髪を梳[と]いてる女と子供。
二人いた童子は、通り過ぎた庄屋のほうに向かって来たので、護身用の刀に手をかけようとしたところ「こけここー」と大きな鶏の声があたりに響いて、女も童子もすがたを消しました。鳴き声でたすけてくれたのは、刀の目釘[めくぎ]のところについてた「きんのとり」の飾りだったといいます。
和漢百魅缶│2022.11.29 Design. Koorintei Hyousen 2022