びゃくちく 白畜

びゃくちく(白畜)

むかし、土州の性公尼が毎月おじぞうさまの縁日に濁酒[にごりざけ]をつくって村のひとたちにふるまってたのですが、あるとき酒をつくってる桶[おけ]に白畜が声をあげながら突入。みてみると白畜は中で溶けてしまって酒は毛だらけに。

「こんな畜汁になってしまっては、川に捨てるしかない」と、性公尼が捨てようとしたところ、たまたま阿州から来て泊まってた覚雲大徳が「この白い毛は文字のようになってるぞ」と発見。桶の水面に浮かんだ毛が「衆病悉除」という文字になってたので、これを村のひとたちみんなに配ったところ、流行り病にかかってた人々もみんな全快したんだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
土州幡多郡の太平寺の縁起物語に出て来るもの。白畜は地蔵菩薩の化身だったのダと説かれてます。

和漢百魅缶│2022.11.25
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