くじらがいけのぬし 鯨ヶ池の主

くじらがいけのぬし(鯨ヶ池の主)

駿州安倍郡の玉川村に伝わるもの。もともとは桂山の長光寺の近くにあった大きな沼にいたぬしで、のちに鯨ヶ池へと移ったといいます。片目だと言われており、そのため池の中のほかの魚たちにも片目のものが多かったといいます。

桂山にいたころ、近くに住んでた老婆と孫娘がおり、その孫娘が沼に誤って落ちてしんでしまったことがありました。

老婆は以後「ぬしに孫がとられてしまった」と恨みつづけ、7日間にわたってあつあつに焼けた石を沼に投棄。そのときのひとつが当たってぬしは片目となり、鯨ヶ池へと移ったとされます。

和漢百魅缶│2022.10.24
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