蛇よけや虫よけのおまじないに用いられてた名前。
琉球でも、蛇に出遭ってしまったらひと息に「藤原、藤原、どけなれさいなれ、蛇[じゃ]なら打ち据え打ち曲げよう、ぐわんじゃーちゅーぶーかちしんて千手観音、あやまだらあやまだら、吾が行く道に立つならば山辺のあるじに語って聞かそうや、儀方」と3回唱えると蛇よけになるなどの唱えごとに用いられてたといいます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
藤原というのは、島袋源一郎『琉球百話』によれば藤原秀郷(田原藤太)のことを示してるそうで、むかで退治などのはなしから虫よけ・蛇よけとして用いられてたようです。
唱えごとの後半にある、文斑[あやまだら]……の部分は、山神や山立姫などに告げるゾと威嚇する、別の系統の唱えごとも合併されてるもの。「儀方」は5月5日に書いて虫よけとするおまじないの文字。
和漢百魅缶│2022.09.23
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