くだん 件

くだん(件)

とつぜん人間のことばをしゃべったりするというふしぎな仔牛。ふつうの仔牛として生まれて来ますが何か異変が近づくと、そのことについて人間のことばでその内容を告げ、それが実際に起きたころにはしんでしまうソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『おばけ文庫 いったいなんびき』の「クダン」で書かれてる妖怪。「きんいちの家が焼けるぞ」と、出火のことについて告げたというはなしが書かれますが、舞台は特に設定されてません。いっぽう、四国・九州地方に伝わる、と「くだん」の基本的な部分の解説はふつうに設けられてます。

「よってくだんのごとし」ということばは、この妖怪の言動が正しいことから生まれた、という部分は活用してるいっぽう、人間のような顔をしてるなどの描写はなく、ふつうのすがたの牛として書かれてます。

和漢百魅缶│2022.08.05
Design. Koorintei Hyousen 2022