山の中でころころころと転がって来るまんまるいもので、ひとに咬みついたりします。
栗[くり]の木の枝で叩かれると弱いそうで、叩かれるとたちどころにしんでしまいます。その用心のための用途もあって、鎌や鍬の柄に栗の木はつかわれるんだソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』で書かれてるはなしに出て来る妖怪。滋賀の山中で松本正平いうひとが遭遇して咬まれ、医者のもとで聴いたはなしとして描かれてます。
正平が蹴ったところ、そこに赤い口が出来、何度も蹴ったら口もぞくぞく増えた――という描写も登場しており、そのあたりが特徴といえそうです。
和漢百魅缶│2022.07.18
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