ぬらりひょん

ぬらりひょん

あおい顔をした妖怪。羽織を着てたりします。

山の中にいるという妖怪で、日暮れどきになるといそがしそうにしてる家に現われるといい、ものしずかで閑静な場所などには出ないようです。

☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』のはなしに登場する妖怪。鳥山石燕の画像妖怪である「ぬらりひょん」を素材にしたもの。

紀州和歌山の人里はなれた山中に庵を結んで暮らしてた太田信衛[おおたのぶえ]という学者のもとを無理に訪問した殿様の前に出たはなしが描かれてます。(殿様が無理に来て、あわただしくしてたので、本来この庵にいないような「ぬらりひょん」も現われてしまったと語られる)

顔があおい(石橋三宣による装画では緑色で彩色されてます)とされる点や、ちょんまげ頭であったりするなど、 石燕の画像要素を踏襲してるようで、そこから完全に分離されても(石燕に一切結びつけなくても)成立可能な要素を持ってるところが、野理夫による画像妖怪を素材とした作品の特徴でもあります。

和漢百魅缶│2022.07.17
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