おとろし

おとろし

お寺の山門にいる妖怪で、不信心な人間が立ち入ろうとすると腕をのばして持ち上げてつりさげ、境内に決して入れないといいます。

真っ赤な鬼のようなすがたをしてます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『東北怪談の旅』の「オトロシ」のはなしなどに登場する妖怪。鳥山石燕の画像妖怪である「おとろし」を素材にしたもの。

はなしの舞台は会津に設定されてて、先祖のお墓参りなどもしたこともない不信心な男のはなしに登場してます。男はつりあげられたまま、母親のとむらいが行なわれてた寺のなかには一歩も入れなかったと描かれてます。

石燕の画像要素を踏襲してるようで、そこから完全に分離されても(石燕に一切結びつけなくても)成立可能な要素を持ってるところが、野理夫による画像妖怪を素材とした作品の特徴でもあります。

和漢百魅缶│2022.07.16
Design. Koorintei Hyousen 2022