薩州の五反田橋のあたりにいた河童[かっぱ]で、茶色い子供のようなすがたをしてます。
飛脚をしてた武士が、この首を刎ねて刀の先に刺して家に持ち帰った。その後、また五反田橋をその武士が通りかかると笠をかぶった男に化けた男が首を刎ね、同じように刀の先に刺してすがたを消しました。
その笠をかぶった男の正体は河童で、河童たちはその夜、武士が河童の首をながめて杯をかたむけてたように、武士の首をながめてさかもりをしたソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『日本妖怪集』の「薩摩の河童」で書かれてるはなし。村田煕『薩摩・大隅の民話』の「河童の首」がベースになって書かれたものとみられますが、冒頭や結末などもすこし異なってます。
和漢百魅缶│2022.07.09
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