からすのむれ 烏の群

からすのむれ(烏の群)

ひとが亡くなったときに、からすなどが何百羽もいるような群れとなって出没したりするというもの。

その正体は「てんぐ」たちで、そのひとを天狗道に連れてゆくために現われたものだとされたりもします。

☆ 莱莉垣桜文 附註
僧侶の伝記の臨終に出て来る、群烏が集まった、飛び去ったなどの描写は、その本人が「天狗」になったことを示してるのでは、――といった解釈が、排仏な意見の考察などにみえたりします。

『古今妖魅考』巻1 曰
「群烏と共に横川の杉に翔[かけ]りと云れたるは正しく古書に其霊の群烏と共に天狗と化[な]りて翔りたる事の有けむを見て記されけむを釈書には其事を隠して只に烏の巣の集れる事のみを記して其れやがて徳行を感慕して集へる事に執成[とりなし]たる物なるべし」

和漢百魅缶│2022.01.22
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